画像生成AIを用いた不良品画像の作成

2024/05/21

外観検査へAIを適用する際に、悩みの種となるのが「実際の現場で手に入る不良品画像の枚数の少なさ」です。少ないデータでは十分な学習を行うことが難しく、期待したような精度にならない場合があります。

このような問題を解決する手法として、「画像生成AIを用いた不良品画像の作成」があげられます。本記事では、「実際にどのような不良品画像を生成することができるのか」と「生成画像を用いて検出精度の向上が可能なのか」に関して説明・検証していきます。

不良品画像の作成

今回は以下のようなクッキーの良品画像をもとに、「焦げ」「欠け」「割れ」の3つの不良品画像を生成していきます。詳細は割愛しますが、「Stable Diffusion XL 1.0」という画像生成モデルをベースに、元の画像から変更を加えた画像を生成する「img2img」の機能を使って不良品画像を作成しています。

生成された不良品画像の例

良品の画像から、以下のような画像を生成することができます。比較のため、生成された不良品画像を左に、実際に撮影された不良品画像を右に掲載しています。

焦げ

欠け

割れ

「割れ」の生成画像は撮影画像と比較して、クッキーの表面が少し変化してしまっていますが、その他の画像では実際の画像と比べても遜色ない出来であることがうかがえます。

不良品画像を用いた学習モデルの精度検証

「生成画像を用いて検出精度の向上が可能なのか?」「生成した画像と撮影した画像を混ぜて学習して、結果が悪くなってしまわないのか?」といった不安があると思いますので、検出モデルを作成し検証しました。

検証内容

撮影画像と生成画像の割合を変化させて、クッキーの「良品」「焦げ」「欠け」「割れ」を学習させたモデルを作成します。その後、学習に用いていない20枚の画像を各モデルに推論させた際、何枚を正しく検知できたかの割合を正答率として精度を評価します。

検証結果

結果は以下のとおりです。横軸が学習に用いた生成画像の割合、縦軸が20枚中何枚を正しく検知できたかの割合です。

生成画像の割合が80%(撮影画像の割合が20%)の時が最も正答率が高く、100%であることが分かると思います。今回の結果は一例であり、サンプル数が少ないので正当な評価がしづらい点も否めませんが、適切な量の生成画像を用いることが精度向上につながると考えられます。

まとめ

生成画像を学習に用いることで、精度の向上に寄与できる見込みがあることが分かりました。不良品画像の収集はAIの検知精度を上げるうえで必要不可欠ですが、「不良品画像を生成する」というアプローチもあることを念頭に置いておくと、検査工程の自動化をより効率よく進めることができるかもしれません。

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