画像認識AIって何ができるの?

2024/12/10

画像認識AIは、検査工程の自動化を主な目的として、製造現場での活用が期待されている強力な技術です。画像認識AIには様々な種類があり、それぞれできることや得意なことが異なります。

AIの導入を成功させるためには、それぞれのAIの特徴を理解し、目的に合ったAIを選定する必要があります。本記事では、画像認識AIの代表的な種類と、それぞれのメリット・デメリット、活用シーンを解説します。

画像分類(識別)AI

画像分類AIは、与えられた画像の内容を分析し、何が写っている画像なのかを分類するAIです。この技術は、例えば、製造している部品の良否判別や、機種・種類の判別に利用することができます。

画像分類AIは、大量の画像と、その画像に写っているものが何なのかを示すラベルを学習することで、非常に高い精度で画像を分類できるようになります。

メリット

ラベル付けが容易

画像分類AIは、物体検出やセグメンテーションと比較して、ラベル付けが比較的簡単です。後述の物体検出AIでは画像中の各物体に対して位置情報を付ける必要があり、セグメンテーションAIでは各ピクセルごとにラベル付けが必要ですが、画像分類AIは画像全体に対してラベル付けを行うだけで良いため、学習データを準備する負担が軽減されます。

必要な計算リソースが少ない

画像分類AIは、物体検出やセグメンテーションと比較して、シンプルな構造である場合が多いです。そのため、安価なPCでもAIを動かすことができます。

デメリット

複数の対象を検出できない

画像分類AIは、画像1枚に対して1つのラベルしか判別することができません。そのため、画像に写っている複数の対象を、個別に検出することが求められる場合には不向きです。

詳細な位置情報を取得できない

画像分類AIは、画像内の対象物が「どこにあるのか」という位置情報を取得することができません。そのため、対象の位置を使った分析や検査をしたい場合には不向きです。

活用シーン

上記の特徴のため、画像分類AIは「対象物の位置やサイズといった情報が不要であり、シンプルに正常・異常の判別だけをしたい場合」に有効です。

  • 自動車部品の品質検査: ライン上の部品を一つずつカメラで撮影し、「正常」か「異常」かを判定

  • 食品パッケージの不良検出: コンベア上の食品パッケージの写真をもとに、印刷のズレや破損がないかを判定

  • 電子部品のはんだ検査: 基盤の写真をもとに、「良品」「はんだ不良」などを判定

代表的なモデル

  • ResNet

  • VGG

  • InceptionNet

物体検出AI

物体検出AIは、画像中に含まれる複数の物体を特定し、それぞれの位置を認識するAIです。画像中に存在する物体の種類を識別すると同時に、それらの位置情報も取得できます。例えば、部品についている傷や異物の箇所を特定したり、部品が正しい位置に組み込まれているかを確認したりすることができます。

物体検出AIは、画像と、その画像のどこに何が写っているかを示すラベルを学習する必要があります。

メリット

物体の種類と位置の両方を取得可能

物体検出AIは、検出対象の位置(「バウンディングボックス」といいます)とその種類を取得できるため、検査対象が「どこにあるか」を特定できます。これは、画像分類AIにはない大きな利点です。

複数対象の同時検出が可能

物体検出AIは、一度に複数の物体を検出できるので、複数種類の異常や部品が混在する場合でも、そのすべてを検査することが可能です。

デメリット

ラベル付けが手間

物体検出AIでは、画像に写っているすべての検出対象について、その種類と位置をラベル付けする必要があります。画像単位でラベル付けを行う画像認識AIよりも手間がかかります。

正確なサイズ計測ができない

物体検出AIでは、対象の位置を検出することができますが、そのサイズは大まかにしかわかりません。そのため、正確なサイズや面積を計測したい場合には、次に説明するセグメンテーションAIの方が適しています。

活用シーン

物体検出AIは、画像に複数の対象が発生する場合や、その位置をもとに検査をしたい場合に適しています。

  • 部品上の傷位置を特定: 部品の画像から傷を検出し、その位置を検査記録として残す

  • 食品の欠品検査: 必要な数量・種類の食品がパッケージ内に含まれているかを検査

  • 多量の部品の中からの不良検出: 生産ライン上で流れる多数の部品の中から、不良品の位置を特定し、排斥する

代表的なモデル

  • YOLO (You Only Look Once)

  • Faster R-CNN

  • SSD (Single Shot MultiBox Detector)

セグメンテーションAI

セグメンテーションAIは、画像をピクセル単位で解析し、各ピクセルがどの物体や領域に属しているかを特定するAIです。対象の細かい寸法や面積で検査をしたい場合に有効です。

セグメンテーションAIは、画像と、その画像の各ピクセルについて、どの対象に属しているかを学習する必要があります。

メリット

ピクセル単位での検査が可能

セグメンテーションAIは、異常部分の形状や位置をピクセル単位で把握することができます。物体検出AIよりも詳細な情報を得られるため、より複雑な条件を用いて検査をすることが可能です。

デメリット

計算コストが高い

セグメンテーションAIは、他の技術に比べて計算量が多く、処理速度が遅くなりがちです。リアルタイム処理が必要な場合には、この点が大きな課題となります。

ラベル付けの負担が大きい

セグメンテーションAIでは、ピクセル単位のアノテーションが必要です。そのため、物体検出AIよりもさらにラベル付け作業に手間がかかります。

活用シーン

  • 自動車塗装の品質検査: 塗装のムラや異常箇所をピクセル単位で検出

  • 食品表面の異常検出: 食品表面の傷や異物を細かく特定し、品質管理を強化

  • 複雑な部品の境界検出: 異なる材料で構成される部品の境界を正確に把握し、正確な組み立てをサポート

代表的なモデル

  • U-Net

  • Mask R-CNN

  • DeepLab

異常検知AI

異常検知AIは、正常品の画像のみを学習し、通常とは異なる異常な状態の画像を検出するAIです。不良品のデータを集めることが難しい場合や、あらかじめ不良の状態を定義できない場合などに利用されます。

異常検知AIは、正常品の画像のみを学習すればよく、ラベルデータは必要ありません。

メリット

学習データ準備の容易さ

多くの場合、通常生産を行いながら不良品や異常な状態のデータを収集するのは容易ではありません。異常検知AIは、正常なデータを収集するだけでよく、またラベル付けも不要なため、学習データを比較的容易に集めることができます。

未知の不良へ対応できる

不良品の状態や画像を学習させるAIでは、AIに学習させていないモードの不良や状態を見逃してしまうことが多々あります。異常検知AIでは、学習した正常品に近いかどうかを判断しているため、AIの導入時点では考慮できていなかった不良も検出できる可能性があります。

デメリット

データのばらつきに弱い

異常検知AIは、学習させた正常画像に近いかどうかを判断しているため、不良ではない撮像条件の変化や、検査対象の位置・形状の変化といった要因を不良だと誤判定してしまうことがあります。

活用シーン

  • 食品製造ラインの品質管理: 正常な食品の形状を学習し、未知の異物が混入していないかを検出

  • 自動車部品の異常検査: 正常な部品の画像のみを学習し、製造過程で起こりうる道の不良を検出

  • 工場設備のモニタリング: 設備の部品をカメラで監視し、摩耗などの変化を検出することで、交換タイミングを予測

代表的なモデル

  • AutoEncoder

  • Variational AutoEncoder

  • PaDiM

まとめ

画像認識AIには、識別、検出、セグメンテーション、文字認識、異常検知など様々な種類があり、それぞれに固有のメリット・デメリットがあります。AI導入により大きな効果を生み出すためには、目的に対して、適切な種類のAIを導入することが不可欠です。

当社では、今回紹介したAIの中でも、物体検出AIをノーコードで導入できるプラットフォーム「TechSword Vision」をご提供しています。物体検出AIのデメリットであるラベル付けも容易で、AIの開発から運用まで簡単に実現することができます。

ご興味がある場合は、ぜひ詳細なサービス説明資料をご請求ください。

【サービス紹介PDFの資料請求はこちら】

また、具体的な導入事例や導入後の流れについても、ご希望に応じて説明させて頂きます。ぜひお気軽にお問い合わせください。

非エンジニアでも簡単

画像認識AIの
開発・実装・運用を
実現できる
ノーコードAI
プラットフォーム