外観検査で重要なカメラの設定

2024/05/31

外観検査は製品の品質を保証するための重要なステップです。傷や欠陥を確実に発見することは不良品の発生を抑えることはもちろん、製造プロセス全体の効率化にもつながります。

カメラを使った外観検査では細かな欠陥も見逃さないような高精細な画像の取得が求められます。本記事ではカメラの基本的な設定項目を紹介し、それらと具体的な検査ニーズとの関連について解説していきます。

カメラの基本設定

画像の写りを決める基本の設定は以下の3つです。

シャッタースピード

カメラのシャッターが空いている時間の長さを表します(長いほどシャッタースピードが遅く、短いほど早いです)。シャッタースピードが速いほど、動きのある被写体を撮影する際にブレを抑えることができます。逆にシャッタースピードを遅くするとより多くの光を取り込むことができ、暗い場所での撮影に適しています。

絞り

レンズ内への光の取り込み量を決定する指標です。多くのカメラではF値という数値で表され、数値が小さいほど開口部が広くなり多くの光を取り込むことができます。また、絞りを小さくすることで被写界深度が浅くなります。被写界深度とはピントが合っている面の範囲のことで、被写体のみにピントを合わせて背景をぼかすような効果を得ることができます。

感度(ゲイン)

カメラのセンサが受け取った信号を電子的に増幅させる設定です。感度を上げることで暗い場所でも明るく撮影できますが、その分ノイズが増えてしまうというデメリットもあります。

カメラの設定の難しさ

実際にはカメラの設定は上記の3つだけでなく、露出補正、ホワイトバランス、レンズの焦点距離など、さまざまな要素が組み合わさっています。その中でも、今回は先ほど述べた3つの基本設定に焦点を当てて具体的な設定方法を見ていきます。

カメラの設定が難しいのは得られる効果は同じなのに「トレードオフとして失われる項目は異なる」という状況が往々にして起こるからです。

こちらの図は3つの基本設定を変化させたときの効果を示しています。

シャッタースピードを遅くする、絞りを小さくする、感度を上げるはいずれも画像を明るくする効果がある一方で、それぞれの設定を変化させることで画像の質に与える影響は異なります。例えば、シャッタースピードを遅くした場合はブレやすくなり、感度を上げた場合はノイズが増えてしまうというトレードオフが生じます。

検査ニーズに合わせた設定

では、実際の検査ではどのようにカメラの設定を決めればよいのでしょうか。下の2つのケースで考えてみましょう。

製造ライン上を高速に移動している検査面のデコボコが激しい製品の検査

この場合、シャッタースピードを速くしてブレを抑えることが重要です。また、絞りを大きくして被写界深度を深くすることで多少の凸凹があっても検査すべき領域全体にピントを合わせることができます。しかし、シャッタースピードを速くして絞りを大きくしたことで画像が暗くなってしまいます。この場合は発生するノイズを許容できる範囲で感度を上げることで明るく撮影できます。場合によっては検査設備に照明を追加することも検討したほうがよいでしょう。

製造ライン上をゆっくり移動している検査面の平滑な製品の検査

この場合はシャッタースピードを遅くしてもブレることはなく、検査面が平滑なので絞りを小さくして被写界深度を浅くしてもいいでしょう。また、比較的低い感度で撮影することができればノイズを抑えることができます。

まとめ

今回はカメラの基本設定が外観検査に与える影響について紹介しました。検査ニーズによっては、カメラ自体の性能を引き上げるために産業用カメラなどの導入も視野に検討する必要がありますが、それについてはまたの機会に紹介します。

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